コミュニケーション

新しい「コンパ」のカタチが話題に!? ヴァンテージ流コンパ『たまディナー』とは

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会社の飲み会に一風変わった制度を持ち込み、社員のグルーヴ感と業績を上げまくっている会社がある。築地にあるヴァンテージマネジメント本社では19時前になるとオフィス内の和室にメンバーが一人、また一人と集まってくる。 19時にはご飯や飲み物が揃い、「お疲れ様!」と乾杯しているのだ。

「ぶっちゃけ、入社前と入社後でヴァンテージに対してどんなイメージギャップがあった?」

入社4年目のセクションマネージャーが問いかけた。
するとそこに参加している4月に入社したばかりの新卒社員、中途採用で入社間もない社員がどんどん質問に答えていく。

「思った以上に社内の制度が整っていなくて、俺が会社を創る必要があるって改めて思ってます。」

「ヴァンテージって仮眠室ありますけど、あんま利用する人いないと思ってたんですよ。
そしたら、お昼は稼働率100%(笑)!前職では仮眠なんて絶対にありえなかったから驚きました。」

そこに入社2年目の中途社員がツッコミを入れつつ、話を広げたり、他のメンバーに話を振ったり、話はとにかく途切れない。

なぜ、そんなアクティブな飲み会が可能なのか。
社員にとって会社の飲み会なんて、もっとイヤイヤ参加するものじゃないの?なんて、ついつい不思議に思ってしまう。

社員のモチベーションを上げる飲み会は、きっと他の会社にとっても参考になるはず、ということでヴァンテージ流コンパ「たまディナー」とやらを調べてみた。

ディープコミュニケーションの活用法

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ヴァンテージでは文化の醸成に力を入れている。
31ある日めくり語録では、文化を象徴する言葉が並び、朝礼(ヴァンテージでは朝丸と呼ぶ)では日替わりの日めくり語録を担当者が読み上げる。
社員に文化を浸透させる仕掛けが綿密に用意されているのだ。

しかしそれらは一方的なコミュニケーションになってしまうこともある。
会話のキャッチボールが出来ないからだ。
そこで、業務時間外にあえて時間をとり、お酒を酌み交わしながらコミュニケーションを図ることで、普段話せないことを話せたり、聞けないことを聞けたりする。
その数時間の効果は、実は業務時間内の同じ数時間より高いことが多いようだ。

なぜ、お酒を酌み交わしながらが良いのだろう。
お酒が入ると本音が出るのだ。
お酒が潤滑油になりその人の人間性が見られ、本当の意味で人間対人間の会話になってくる。だからこそ、一方的なコミュニケーションとは納得感が全く違ってくるのだ。

ただ中には「私はお酒弱いので…」とか、「お酒の場が嫌いだから…」という人もいると思う。
実際にヴァンテージの社員の中にも存在する。
ヴァンテージ流コンパでは、必ずしもお酒を飲まなければいけないわけではない。
お酒が飲めない人や、小さい子どもがいて夜は外に出られない人への配慮や対応策なども用意されている。
小さい子どものいる時短勤務の社員には、「たまディナー」ではなく「たまランチ」を用意している。あくまでも会社の風通しを良くするための、お互いをより理解するための、敷居の低い「コミュニケーションツール」なのだ。

ヴァンテージ流コンパを続ける理由

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経営者も従業員も、誰もが1人の人間である。
経営者やマネージャー陣が会社を必死に守るために厳しい顔をし、時には雷を落とすこともあるだろう。
しかし、経営者やマネージャー陣が24時間365日ずっと同じ人であり続けるわけではないし、そうあるべきでもない。
たまにはおっちょこちょいなミスもするだろうし、おちゃめな一面も持っていることだろう。そういう人間味溢れる、親しみやすい経営者のほうが、多くの人がついていきたいと思うではないだろうか?
ヴァンテージ流コンパを創りだした張本人である中山社長も、このオンとオフのバランスが絶妙である。
昼間は会社を猛スピードで船頭する頭のキレる経営者の一面が最初に思い浮かぶ。しかし、業務時間外では、別人のような人間臭くなる。誰よりも飲み会を楽しんでいる。

ヴァンテージ流コンパを始めたことで変わったことを社員にインタービューしてみた。

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Q:ヴァンテージ流コンパを始められて何か変化はありましたか?

社員A:「参加したメンバーの知らなかった一面を知ることができ、仲が深まりました」

社員B:「たまディナーは携帯の持ち込み禁止なんですが、携帯が全く気にならないほど話にのめり込みます。関係が親密になるのを実感できます。」

社員C:「たまディナーを始めてから業績が上がったんですよ。なぜかって考えてみたんですけど、たまディナーを通して関係が深まったことによって指摘や意見を交わす機会が増えたんです。それが成果に繋がっていると思います。」

成果の出るコンパ、だから辞められないようだ。

ヴァンテージ流コンパにはモデルがあった!?

実は、このヴァンテージ流コンパは、かの有名な「稲盛流コンパ」をモデルに誕生した。
京セラ本社の12階に鎮座する100畳敷の巨大和室。
ここで京セラの社員は夜な夜なコンパをしているそうだ。なぜ、組織がまとまらないのか、そんな現状に若き稲盛氏が煩悶し、「稲盛流コンパ」を生み出したそうだ。稲盛流コンパを導入して以降、赤の他人が火の玉のごとく一致団結し、業績を大きく伸ばすことができたそうだ。

文化醸成に力を入れ、世界中で知らない人はいない大企業を目指すヴァンテージマネジメントにとって、ヴァンテージ流コンパはなくてはならないコミュニケーションツールになっている。今は決して広くない和室でのコンパが、近い将来巨大和室で開催される日も遠くないだろう。

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