田畑翔利(たばたしょうり)
SellCa株式会社 代表取締役
1989年、兵庫県生まれ。立命館大学卒。学生時代から車関連事業でビジネスに携わる。
2015年に新卒5期生としてヴァンテージマネジメントに入社。コンサルタントを経て、セクションマネージャー、Div.マネージャー(現カンパニー長)を歴任。2017年3月にヴァンテージマネジメントを退社し、SellCa株式会社を設立。
『ヴァンテージを離れてもうすぐ1年ですね。ヴァンテージを辞めてからまず何をしましたか?』
ビジネスとは全く関係ないんですけど(笑)
ハワイに行って、イギリスに行って、オーストリアに行ってと飛び回りました。
その旅行中にも次どうしようかなと色々考えていて、ふと、「ビジネスを探しにアフリカに行こう」と決めました。
『アフリカに!?それはどれくらいの期間行ってましたか?』
アフリカには1ヶ月位滞在したんですけど、その時のことが今のビジネスと繋がってますね。
自分の強みがどこかなと考えた時に、車関連のビジネスにしようとは決めてたんですが、アフリカに行って気づいたのは、日本の車が人気というよりは、日本で走っていた車に価値があるみたいな感じなんですね。
『日本で走っていたということは、日本ブランドではなくても良いんですか?』
そうなんですよ。なぜかと言うと、日本は世界一道路インフラが整っていてガタガタした道って少ないじゃないですか。あと、日本人は体格が小さいから、同じ年数乗っていたとしても外国の人が乗っている車よりも状態が良いんですよね。
あとは、日本の車検制度。海外は車検制度が適当な国やそもそもない国もあるんですよ。車検制度があるから、日本の車は二年に1回メンテナンスが入るので。
そういう理由もあって、”日本で乗られていた”車が海外では価値が高いんですね。
そう考えた時に、日本の中古車になるような車を全部抑えることができたら、右ハンドルの国全部で戦えるなと。
後日田畑社長がアフリカ滞在時の写真を送ってくださいました
『SellCa株式会社では今何をされていますか?』
まだ内緒です(笑) 言える段階になったらヴァンテージには真っ先に報告するので、宣伝してください!(笑)
『楽しみにしてますね!自社でエンジニアの採用も進めてるとお伺いしました』
2月からジョインしていて、もう1名加入予定です。
ただ、想定では、最初はユーザーから「もっとこうしてほしい」とか「こういう機能があったほうが良い」とか、かなりの要望がくると思うんですね。
なので、サービスをリリースして一気に行くというよりは、リリースしてユーザーの反応を見て納得行くところまで修正して固めてから一気にプレス打ったりの拡散を考えてます。
藤井がインタビュー中に会議室を覗きに・・・
『ヴァンテージを辞めてから、さあビジネスやるぞとなった時に最初に考えたことはなんですか?』
一番は「デカイことしたい」っていうことですね。
やっぱり人生って、みんな言いますけど一度じゃないですか。だから自分の与える影響力というか・・・
そうなると、プラットフォームって強いよなって。そのサービスがあるから成り立つこと、ないと成り立たないことって多くあると思うんですよね。
あとは、日本だけで戦うのは難しいと思ってますね。人口も減ってるし、未来も減っていくことを考えると。あえて逆流に乗る必要はないかなと。
ヴァンテージでもよく言ってましたけど、下りエスカレーター駆け上がるよりも、上りエスカレーター駆け上がったほうが、当たり前に速いじゃないですか。
小さくなっていく市場で勝負するっていうのはそういうことなのかなって。
『今、ヴァンテージがWeb領域で戦っている理由の一つにそれもありますね。』
そうなんですよね。
あるいは、大きく変わるタイミングしか大きく勝てないと思います。例えば戦後とか、TOYOTAでもなんでもそのタイミングで大きく成長したっていうのはあると思うんですね。インターネットが生まれて、Googleのようは巨大企業が生まれたりとか。あれって、変わり目だったと思うんですね。
僕自身その変わり目を探していて。そう考えた時に、モビリティ業界は今まさに変わり目なんですね。
何かというと、電気自動車ができたり、自動運転技術が開発されたりしていて、どう考えても移動ビジネスは変わることがほぼ確定しているんですよ。
そこにBETしておくのは面白いのかなって思いますね。
『改めて一歩引いて見た時に、ヴァンテージから学んだことって何でしたか?』
めっちゃありますよ!(笑)
例えば、基本的にはブルドーザーの如く進めたらなんとかなるということ。
僕が入社した時と辞める時で比べても、入社した頃はほとんど未整備な部分って多かったと思うんですね。それが、前よりも進んでるというか良くなっているというのがなぜ出来たのかというと、複雑そうなことや面倒だろうことをとにかくゴリゴリ進めたからだと思っていて。
「面倒くさかったら変えろよ」って藤井さんからも日常的に言われましたし。「お前ドMなの??」とも言われましたね(笑)
普通の人は今ある環境が当たり前と思って変えに行こうとしないじゃないですか。でも、ヴァンテージの人たちはそこを変えに行くので。
そこはめちゃくちゃ学んだなと。
もう一つは組織論かな。ヴァンテージは組織としてどうあるべきかを考えさせてくれるじゃないですか。例えば、G2Campだったりとかもそうですけど。
ここまで組織について時間を割いている企業はあまりないのかなと思います。だって、短期的にみたら目先の売上にすぐ繋がるわけではないですし。
でも、朝のミーティングしかりG2Campしかり時間を割いてますよね。そういうところで考える機会があったおかげで、”どうあるべきか”というところをすごく考えるようになりましたね。
あとは、空気を読まない大事さ。
『空気を読まない大事さというのは、仕事の出来る出来ないに関わらず仕事を取りに行ったりとか?』
そうですね。目の前に仕事があったら取りに行く。
そもそも最初から完璧に出来る人なんでいないじゃないですか。僕も入ったときはExcelの入力すらできなかったですけどね(笑)
でもそれで失敗しても死ぬわけじゃないし。取りに行った分、失敗しても成功しても得られるものは人の何倍にもなると思うんですよね。
『田畑さんがヴァンテージに入ったときは既に20名位いたのでその前の段階を知らないと思うんですけど。今まさにその前の過程を経験していると思うのですが、どんなことを思いますか?』
今はまさに「0→1」を作りに行っているところで。だからこそみんなが自分から楽しそうにやっているのかなと感じてます。
ただ、まだ売上が立っていないので、それに対する焦りと恐怖がめちゃくちゃあります。このサービスでもし売上が立たなかったらどうしようって。
あと、バックオフィスの人のありがたみをより感じますね。だって自分で出来ないことだらけで(笑)
経理とか総務とか、そういう。わからないことが多いし、細かくて手間取るものが多い。
「攻撃に徹したいのに!」って、すごくもどかしく感じる時はあります。
『まさに0から創り上げているという感じですよね。』
本当にそうなんですよ。
あと、数字で考える癖はヴァンテージに入ってすごく身についたなって思います。
だから今は細かい数字までメンバーに要求していますね。それこそ、クレーム率でさえも想定してとか、この対応には平均で何分かかる見込みだから、そうなった時の必要な人員も事前に予測して、とか要求してます。
ただ、今「0」の状態ではあるんですけど、やったことないことに対する恐怖はないんですよね。不思議とね。
『組織として人を増やしたりといった未来像はありますか?』
従業員は、正直あまり増やすつもりはないんですよね。いや、増やしたいんですけど。
可能な限りロボットで出来ることはロボットで完結させたいんですよね。
幹部クラスというか、組織の核となって実行してくれるような人は死ぬほど増やしたくて。
botで対応できることはそちらで完結させて、サービスの核となる開発メンバーやブレイン的なポジションは増やしていきたいなって思ってます。
ヴァンテージでも例えば会計ソフト使ってますよね?
『もちろん使ってます』
ひと昔前だったら、このソフトで出来ることを何人もの人が作業してたわけじゃないですか。でもソフトでその分の人手が必要なくなってきたわけで。
今度新しく入るエンジニアが業務改善系がすごく得意なんですよね。だから社内のあらゆる業務を効率化してくれるはずです(笑)
『実は今朝ちょうどミーティングで「ビジネスの話が出来る人って少ない」って話をしたんですけど、そういうのってどう努力していけばいいと思いますか?』
う~ん、でも、普通だとメンバーであればメンバーほど目の前のことに追われるから。だって新卒とかもそうだと思うんですけど、出来ないことのほうが多いというか出来ないことだらけじゃないですか。
だから、ビジネスという大きな範囲で見ようという人はいないんでしょうね。
まあ、最終的には本人の意欲とかになっちゃうかもしれないですけど。
『とは言っても、「成長したい」という割合がヴァンテージでは多いほうかなと思うんですけど、その中で差をつけるのに必要な要素って何だと思いますか?』
僕自身も実力で上がったというよりは抜擢で上がった部分もあると理解しているので偉そうなことは言えないんですけど(笑)
ただ、自信があるのは、まず「量」では絶対誰にも負けてなかったということですね。誰よりも。
『「量」をやった先についてきたものはありますか?』
「ほら勝てるし!」という実績かな。やっぱり、勝つまでやれば勝つな、と。
自分は頭が良いタイプの人間ではないので、泥臭さで勝つしかないと気づいたんですよね。
凡人であることに気づいたんですよね。でも、凡人だからといって天才に負けて良いのかというと、そうじゃないじゃないですか。
いや、俺は勝ちたいんだ、と。天才にすら勝ちたいと。
だから「量」やるしかないな、というところに辿り着きましたね。天才の5倍くらいやればなんとか出来るだろと思ってます。
『この記事を是非悶々としている若者たちに届けたいなって思います!』
いや~(照)
でもヴァンテージに居た3年間本当に楽しかったんですよね。とにかく毎日夢中だった。夢中というか無我夢中。
365日のうち180日くらいは夢でも仕事してましたもん(笑)
『没頭してたということですかね。』
とにかく楽しかった。寝言で「マイさん!」とか「ノグチ!」って怒ってる事もあったみたいで。翌朝奥さんから「何かあった?」って言われたりしてましたね(笑)
だから、実質1年間で500日位働いている計算になるから、得してるなって思います(笑)
『今一番力入れているところや優先順位はありますか?』
全部だなぁ。全部なんですけど。
ただ、できるだけ良いものをできるだけ早くリリースしたいとは思ってます。今まで自分が経験してこなかったことで、でも一番大事な要素だなって思うのは、資金の計算とか使い方ですね。
ここはヴァンテージでは紘太さん(弊社代表)がやってくださっていたので自分はやってこなかった部分で。すごい難しいなって感じてるところです。
あとは、今いるメンバーが向いている先を揃えに行くっていうところは大事かな。とは言ってもこのタイミングで入ってくれているメンバーなので、特に自分がめちゃくちゃパワーを使うかというとそういう訳ではないんですが。
それも含めて、色々なものを創り上げている段階だなと。契約書もそうですし、オペレーションを整えたり、トークスクリプトとか研修とか、もう色々。
とにかく何もないので全方位作っていくところは力入れてます。
『私も遠い記憶がちょっと蘇りました・・・!入社した時は架電リストがデータじゃなくてペーパーだった時代もあったなって(笑)』
そう言えば2期生ですもんね。そういう時代を見てきて、今、もちろんこれが完成形じゃないけど、どう感じますか?インタビューされてるの僕なのに質問しちゃいますけど。
『感慨深いとか感傷に浸るようなことはないんだけど、「飽きたな」って思ったことはなかったかなと。しんどかったことも、無駄に徹夜したこともあったけど(笑)まあ全部エピソードとして語れるから逆にラッキーだなって思いますね。たださっきの話じゃないけれど、目の前のことに必死過ぎて、今思えば効率化できたなとか、方向性がやや間違って自分の首を締めにいっていたと思うこともあるので、反省も多いです、振り返ると。振り返らないけども。』
そうなんですよね、結局日記書いてもブログ書いても、時間を置いて見直したりすると「こんなことで悩んでたんだ」って思って、恥ずかし!とか小さッ!って思うこといっぱいありますよね(笑)あの時の自分なんだったんだろうなって。
でもそういうのを何十回何百回と超えていって成長していくと思うので。まあ、総括するとそう簡単に死なないので、とにかく勝つまで何度も壁をぶち壊してやろうと思いますね。
『田畑社長、有難うございました!』
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